「シニアは楽しみだけど、レギュラーツアーも諦めてはいない」深堀圭一郎インタビュー

スタッフプレーヤーインタビュー 深堀圭一郎

「シニアは楽しみだけど、レギュラーツアーも諦めてはいない」

今年、深堀圭一郎はシニアデビューを果たした。自身2戦目では9位タイに入り、賞金王への期待も高い。だが、まだまだレギュラーツアーでも充分に戦える。少ないチャンスでも、気持ちは一片も削がれていない。

 2018年10月9日、深堀圭一郎はプロゴルファー生活、ひいては人生においても、大きな意味のある日を迎えた。
「50歳になったときの感想は、やっとかなという感じです。楽しみでしたよ。複雑な心境もありますけどね。みんなはどうかわからないけれど、20歳は大人になったという感じじゃないですか。そしてその次は、プロとしてもそうですけど、50歳が大きな節目ですよね。でも、何が変わるってことでもないんですが……」
 決して無理に言葉を紡いでいるふうでもなく、彼は50歳の誕生日を迎えた心境を語った。

 この年齢は、プロゴルファーにとってシニアツアー参戦の資格を得たことを意味する。実際、すでに彼は4月から始まった2019年日本シニアツアーの2戦に参戦し、自身2戦目では早速、9位タイの成績を残している。
「同世代の選手が、もう一度、同じフィールドに集まる年代になります。それぞれにいろんな道を通ってきて、いろいろな思いもあるでしょうけど、ふたたび一緒にプレーするわけですから、本当に楽しみですね。それに、また可能性を感じられる場所に入っていくという意味でも楽しみです」

 シニアツアーにおける目標も、設定済みだ。いずれも、彼がこれまで築いてきたキャリアに相応しい栄誉だ。
「レギュラーツアーでは残念ながら賞金王にはなれなかったので、シニアになって取ってみたいですね。それと、日本シニアオープンを取りたいです。レギュラーでは一度ですが、日本オープンに勝った(2003年)ので、シニアでも日本最高峰のタイトルを、ぜひ取ってみたいです」

 もちろん、年間を通して安定した成績を残すことも、目指すものの一つだ。その先には、ツアー外の“楽しみ”もある。
「やっぱり、晴れやかな年の瀬というか、シーズンを気持ち良く終了できるように、小さな目標というわけでもないのですが、一つのターゲットとして3ツアーズ(Hitachi 3Tours Championship)に出たいですね。あの大会が始まった最初のころ、僕も数回出ているんです。1年間、シニアツアーでしっかりやっていないと呼ばれることもないですし、1年の最後にそこに出ているような自分がいたとしたら、2019年は充実していた1年になるのかなと思います」

 さらに、大先輩からの一言で、これまで視野に入っていなかった道への欲も、胸の内で大きくなりはじめている。
「尾崎直道さんに、『なんで深堀は、アメリカに行かないんだ?』と言われたんです。丸山(茂樹プロ)が今後、アメリカのチャンピオンズツアーに出はじめると思うのですが、直道さんに言われて、『ああ、俺も行けるチャンスがあるんだ』と、初めて気づいたような感じでした。だから今年、もしかしたら予選会を受けるかもしれません。自分の足であの舞台を歩けば、何か感じるものもあると思いますし、聞いていることと実際に見たものには、大きな違いがあるはずです。だから、そういう経験もできたらと思っているんです」

小学生からのオーバーラッピングを、インターロッキングに変えてみた

 さて、ここまでは新たな領域へのワクワク感、期待感を綴ってきたわけだが、深堀圭一郎には当然ながら、また違った闘志が、力を弱めることなく燃えつづけている。言うまでもなく、レギュラーツアーだ。彼自身、「ここ数年は、ずっともやもや感が続いていました」というのだから、なおさらだろう。2016年は、両ヒジの痛みが、思うようなゴルフをさせてくれなかった。2017年は、新しいウェッジとの出合いで、“やれる”という感触を掴んだが、それはシーズンも終わりに近づいたころだった。2018年は、その手応えとともに、推薦などで出られる試合を精いっぱい戦うつもりだったが、シーズン前に襲ってきた体の不調が、それを許してくれなかった。彼は詳細を明かさなかったが、かなりの困難と格闘していたようだ。

「それもあって前半戦に出られなかったんです(初戦は6月下旬)。シードがなかったので、自分の出られる権利をいくつか組み合わせながら、10試合くらいを考えていたのですが、夏からとなってしまいました。それに、シーズンオフに準備が出来なかったことも、状況を難しくしてしまいましたね。体もそうですし、気持ちの面もそうです。オフだけに限ったことではないですが、自分で何か目標を決め、一つひとつクリアしていって次に向かっていくことが、戦える材料として蓄積されていくと思うんです。でも、それをうまくできなかったということで、すごく残念なタイミングでしたね」

 結局、2018年は11試合に出場して、ISPSハンダマッチプレー選手権でこそベスト16に進んだ(もし、あと2勝できていれば、余裕でシード権を獲得できていた)ものの、通常のトーナメントで予選を通過したのは、わずか3試合。賞金ランキングは89位に終わった。
 しかし、そんななかでも、また2017年のように一つの光明が見えたから、やっぱりレギュラーツアーへの思いが募る。心配ごとが少ないなかで、存分に力を発揮してみたい。

「前半戦に出られなかったころに、考える時間だけは豊富にあったので、いろんなことを検討していたんです。それで突然、小学生のころからずっと続けていたオーバーラッピングをインターロッキングに変えてみました。ヒジの痛みを考えてのことです。もちろん最初は、ちぎれるんじゃないかと思うくらいに指が痛かったんですけど、これによって力の配分が変わってきて、ヒジへの負担も減りました。先日も検査を受けたら、まったく炎症もなくて、完璧に治っていたんです。その影響がしっかりゴルフにも出てきていますし、プレーにもいいところが出はじめているんですよね。マッチプレーの週も、それがたまたま良かったんです。練習が足りていないという精神的な問題と、筋持久力の問題と、充分じゃないところがあったので、ちょっとうまくいかなかったですけど」

 2019年は基本、シニアツアーに軸足を置きつつ、「マックスで7試合くらい」というレギュラーツアーに勝負を懸ける。

「若い選手のプレーが見たいというのもありますし、自分もまだ、完全にしょぼくれたゴルフになっているとは思っていません。最後まで1つでも上に、チャンスがあれば1段でも上の階段に上りたいというのは、思いつづけています。諦めてはいないですから」
 従来の深堀圭一郎にシニアツアーという楽しみが加わっただけのことで、冒頭で言っていたように、彼自体は、良い意味で何も変わってはいない。

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