「ゴルフが好きだということを、最近あらためて気づかされています」上田桃子インタビュー

スタッフプレーヤーインタビュー 上田桃子

「ゴルフが好きだということを、最近あらためて気づかされています」

2年続けて優勝者のリストに入ることは、叶わなかった。厳しい1年でもあった。でも、自信はまったく揺らいでいない。多くの新たな学びを得て、上田桃子はもっともっと強くなっていく。

 2017年に2勝を挙げた後の昨年のインタビューで、上田桃子はこんなことを語っていた。
「案外、2018年はもっともっとと思ってはいないんです。やっぱりこの世界に長くいて、そんなに甘い世界じゃないことはわかっています。なぜか年をまたぐと、前年までいちばん強かったのに活躍できないという選手を、自分も含めて、長く見てきています。この世界の厳しさというのも知っていますし、2017年は2017年で終わり。やっぱり心技体は、うまくバランスが整ってないと結果は出ないので……」
 決して予感していたわけではないだろうが、彼女の2018年は結果のついてこない1年となった。優勝ゼロ、トップ10は8回と前年の半分に留まり、賞金ランキングも6位から21位へと大きく降下した。「本当にタフな1年だった」と、彼女はシーズンを表現した。
 きっかけとなったのは、自身6戦目の、地元熊本で行われたKKT杯バンテリンレディスオープン。2017年は悔しい逆転負けを喫した大会だ。
「熊本で頑張りたいというモチベーションがすごく強かったので、ダメだったときに焦りのほうに変わってしまいました。これだけやってきて、熊本で予選落ちということで、『オフにやってきた練習が合っていたのかな?』という感じに少しなってしまって。疑心暗鬼みたいな感じですね」
 もちろん、優勝争いをするシーンも少なくなかった。熊本での屈辱の翌週、フジサンケイレディスクラシックでは2日目にトップタイに立ち、続くメジャーのワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップでも初日を首位タイで飛び出した。このあたりで少し何かが違って勝てていれば、2018年はまったく別の流れになっていたかもしれない。
 しかし、“たられば”を言っていても仕方がないことは、実際に戦うプレーヤーがいちばん骨身に染みてわかっている。
「“1日目は良かった、紙一重で良くもなった”と言われるかもしれませんが、それは誰もがそうですし、いままでの年もそうだったと思います。

 最低限、自分の持っている引き出しは出せたかなと思っていて、ただ、それが3日間とか4日間、1週間や2週間、続かなかった。それは、継続的に同じことができなかったということであり、その出来なかった理由はやっぱり、迷いだったと思います。2017年は、けっこうできていたんですよ。1つのことをすごく長くできていました。たしかに、1回優勝したりすると、それが自信に変わって、『ああ、これでいいんだ』と思えたかもしれないですが、やっぱり1日良くて、1日ダメというのが多かった分、『ああ、こうじゃないんだ』というふうに悩んじゃったかなという部分があります」
 ただ勘違いしてはいけないのが、“タフ”なシーズンではあったが、彼女は決して、“苦しんでいた”わけではないというところだ。
「苦しかったなとか、そういったことは、あまり思っていなくて……。常に学びはありますし、まだ向上したいという思いも衰えていないですし、何より、『ああ、ゴルフが好きなんだな』と、最近あらためて気づかされているというか。やっぱり、こうやって続けてきて、まだまだ強くなりたいと思えることを自分自身が知ると、好きなんだなと。そういうことをまた知ることができているのも学びですし、こうやって毎回毎回、自分で吸収があると、がんばれますし、楽しめますし、まだまだやれるというのを感じます」

より向上するために、もっと“我慢”できる選手にならなければいけない

 シーズン終盤には、「久しぶりにワクワクした気持ちを感じられた」こともあった。2位タイに入った、USLPGAの1戦でもあるTOTOジャパンクラシックでのことだ。
「たとえばアプローチ練習場に行くと、キム・セヨン(USLPGAツアー7勝)がいて、バンカーショットで良い音をさせている。自分もバンカーにはすごく自信があるのですが、自分よりも良い音をさせられる人がまだまだいるんだなと思ったら、『じゃあ、まだバンカーショットを極められるな』と。ユ・ソヨン(USLPGAツアー6勝、うちメジャー2勝)がパッティンググリーンにいたら、やっぱり良い音がする、緩んでいない、軸がしっかりしている、歩いているときの姿勢がいい、とか。自分がすごいなと思うところがたくさんある選手が、行くところ、行くところにいるんです。まだまだ自分は伸びることができるという可能性を感じて、ワクワクしました。
 
 心の部分が良いも悪いも影響を及ぼすということを、すごく感じた週でした。たぶん自分はいつもチャレンジャーでいて、自分が決めたものに対してチャレンジしているとき、自分のなかから出てくるエネルギーがいちばんあるんじゃないかなと思いましたし、そういうワクワク感はゴルフをするうえですごく大事です。とくに年齢を重ねてくると、いちばん大事になってくるところだと思うんです」
 間もなくやってくる2019年シーズン。彼女がチャレンジするテーマとして掲げているのは、「我慢」だと言う。
「向上したい、昨日の自分より強くなりたいと思ったときに、もっともっと我慢ができる選手にならなければいけないなと思います。自分の幹となるところに我慢があって、その周りに自分の得意とする、たとえば攻撃だとか、諦めない気持ちだとかがあるというふうに。もし我慢ができていたら、昨年もやるべきことを継続して、信じてやりつづけて、勝てたかもしれないですし、その我慢というスパイスが自分にとって、長年ゴルフをしてきて、もっとも足りていなかったなと思うところです。そこにチャレンジすることを、楽しみながらやりたいと思います」

 とくに具体的な数字を挙げるつもりはないが、その課題がうまく達成できた先には、大きな収穫があると信じている。
「自分のなかで、それができたら勝てるという自信はありますし、とりあえず1勝したいとかいった目標ではなく、もっとプロセスを大事にするほうが、自分にとっては1年間、モチベーションを保てるのかなと思っています。何勝するとか、数字の目標はないですが、勝つということでいえば、毎試合勝ちたいです。出る試合は全部勝つつもりで、という部分は、ゴルフを始めたときから変わっていないですから」