「海外メジャーで結果を出す準備が、できはじめていると思います」上田桃子

CALLAWAY STAFF PLAYER MOMOKO UEDA
スタッフプレーヤーインタビュー 上田桃子

「海外メジャーで結果を出す準備が、できはじめていると思います」

結果を見れば、ベストにも近いようなシーズンだった2017年。しかし、彼女が浮ついた言葉を発することなど、もちろん、ない。いま、上田桃子のすべてが、これまでなかったほどに整っている。

 上田桃子の2017年には、“充実”という言葉がよく似合う。優勝2回、トップ10が16回、予選落ちはわずかに3回。賞金ランキングは、これまでのプロ生活13年のなかで、2007年の1位に次ぐ6位となった。本人も、やはり“充実”という単語を使って、シーズンを振り返る。
「自分のなかでチャレンジというのを1つのテーマにして、高いモチベーションで1年間やり遂げられたという部分では充実していたなと思いますし、2勝することもでき、久しぶりの優勝だったので、すごくうれしかった部分と、やっぱり勝つっていいなと、あらためて優勝の喜びを実感した1年でした」
久しぶりの勝利は、同じく年間2勝した2014年以来。通算では13勝(国内対象外を含む)となった。ただ、同じ13の頂点であっても、そこで見える景色は少しずつ変化してきていて、同じではないと言う。
 「プロ生活を重ねていけばいくほど、自分のことよりも応援してくれている人たちの姿がすごく見えるというか……。自分と同じ気持ちで戦ってくれているファンの人や、自分以上に泣いて喜んでくれている人を見たりすると、プロをやっていて良かったなと思いますし、自分以上に待っていてくれたんだなと。そういうことが、よく見えるようになりましたね。最初の優勝のときは、自分が勝った、うれしいという気持ちでいっぱいだったので、そこまで周りを見る余裕はありませんでした。それが、年齢とともに自分よりも周りの人に目が行くようになったかなと思います。優勝は、1人で戦っているんじゃないんだなということを、あらためて感じられる瞬間なんだと思います」
 同様に、優勝が持つ意味合いも、年々違ってきているという。

 「歳を重ねるごとにゴルフの難しさという部分も、できたという喜び以上に感じますし、その蓄積によって、自信がなくなっていったり、迷いが出てきたりします。でも、だからこそ、若いときに何もわからないで、とにかく無我夢中で頑張って勝った喜びよりも、何か一つ、山を越えられたという達成感だったり、自分自身に勝てたっていう喜びだったりを、昔以上に感じますね」
 このコメントとも通じているところなのだろうが、彼女は意外にも、2017年より2016年のほうがいいシーズンだったとも言う。勝利はゼロで、トップ10が4回にとどまり、7回の予選落ちを喫したにもかかわらずだ。
「2016年は、結果が賞金ランキング35位と良くなかったのですが、自分に負けなかったというところでは、そこはそこで充実感があって。でも、やっぱり現実とのギャップというか、自己満足になってはいけない世界なので、そこはすごく難しいところだなとは思うんですけど、でも、自分のなかでは、2017年があるのは、2016年のシーズンで一生懸命頑張って、自分に負けなかったという部分がつながったからだと思っているんです。苦しいところから逃げなかったという2016年のほうが、自分にはいいシーズンだったなと。2017年の結果は、2016年の悔しさが少し晴れたという満足感ですね」 

2018年はまた、ゼロからという気持ちで

 そんな彼女だからこそ、2018年シーズンは2勝の上の、さらに3勝、4勝を、とは簡単に口にしない。
「案外、2018年はもっともっとと思ってはいないんです。やっぱりこの世界に長くいて、そんなに甘い世界じゃないことはわかっています。なぜか年をまたぐと、前年までいちばん強かったのに活躍できないという選手を、自分も含めて、長く見てきています。この世界の厳しさというのも知っていますし、2017年は2017年で終わり。やっぱり心技体は、うまくバランスが整っていないと結果は出ないので、2018年はまた一からというか、2017年の続きではあるんですけど、ゼロからという気持ちでやりたいなと思っています。だから、2017年に2勝できたから、2018年は3勝というよりは、まず、また2018年が始まったら、開幕戦から早く1勝できるように頑張っていく。それが、自分の正直な本音かなと思います」

 ここまでのコメントの端々からイメージされるのは、“成熟”の2文字だ。長きにわたって酸いも甘いもかみ分けてきて、いまの上田桃子は、プレーと精神面が相当に高いレベルで調和していると言ってもいいのではないだろうか。たくさんの経験を経て、しっかりと地に足をつけ、かといってそれが、攻めの気持ちを邪魔するわけでもなく──。こうなると見ている者としては、国内女子ツアーでのさらなる活躍はもちろん、また別の期待もしてしまうところだが……。
「最後にもう一度、海外メジャーにチャレンジして終わりたいという気持ちはあります。それが2018年なのか、2019年なのかはわかりませんが、東京オリンピックも含めて、大きい大会で自分の実力を試したいという気持ちは、最近また芽生えてきたなと思います。戦えるなと思えるショットが増えてきたのもありますし、2017年に久しぶりに、自分のゴルフスタイルが、『ああ、いいときは、こういう感じだったな』と感じられたということもあります。それさえ出せれば、自分のパフォーマンスさえ出せれば、おもしろい戦いができるなという気持ちになれたので。メジャーならどこでも、ということではなくて、ANAインスピレーションとリコー全英女子オープンですね。その2つが、自分のなかでいちばんチャンスがあるメジャーだと思うので」
 そして、最後に彼女は、力強い言葉でインタビューを締めくくってくれた。

「正直、メジャーに行けるだけだったら、あまり行きたくないといいますか……。2017年も、リコー全英女子オープンに行くチャンスはありましたが、自分のなかでまだ整っていないなというのがありました。行けると思ったときに、結果を残しに行くという部分で、挑戦したいと思っているので、行くだけはもういいかなと思っているんです。でも、それがいま、整いはじめているな、と。その準備は、しっかりできてきていると思います」

上田桃子
出身地:熊本県熊本市
生年月日:1986年6月15日
出身校:東海大学付属第二高等学校(熊本県)

<2018年 スタッフプレーヤーインタビュー続々更新中!>
「来年のインタビューでは、勝った試合を振り返りたい」柏原明日架
「MACK DADDY 4 ウェッジに出合って、急にすべてが変わった」深堀圭一郎
「たくさんのいい経験を積めた、とても順調な10年だった」石川 遼