「来年のインタビューでは、勝った試合を振り返りたい」柏原明日架

CALLAWAY STAFF PLAYER ASUKA KASHIWABARA
スタッフプレーヤーインタビュー 柏原明日架

「来年のインタビューでは、勝った試合を振り返りたい」

デビューからこれまで、確実に結果を残し、着々と自らの地歩を固めてきた柏原明日架。彼女に足りないものといえば、もう、一つしかない。初勝利はきっと、もうすぐ近くまで来ている。

 プロとなったのが2014年夏。フルシーズンを戦った年数は、2017年で3年を数えた。柏原明日架にとって、この3年間は、いまどんな自己評価となるだろうか。
 「3年が経ったわけですが、意外と順調だったかもしれないですね。そのなかでも試行錯誤がたくさんあったし、苦しい思いもしているし、どっちかといえば年間を通して苦しい思いしかしていないという感じもあります。でも、これまでケガもしていませんし、すごく充実もしていましたし、1年間を終わったときに、毎年、悔いはありません。賞金ランキングだけを見たら、毎年上がっていますしね」
 実際、彼女の賞金ランキングは年々、ステップアップを果たしている。2015年は50位、2016年は29位、そして昨シーズンはついにトップ20を突破しての17位。
 「2017年は、賞金ランクもこれまででいちばん良かったですし、自分のなかでも成長をすごく実感しています。それは、細かいスタッツを見ても思いますし、ゴルフに対しての考え方、試合を進めていくうえでの自分自身の頭のなかのことを考えてもそうです。
 スタッツでは、パーオン率をすごく気にしていて、毎年50位以下だったのですが、2017年は50位以内に入っています。それがもっと上がってくれば、自ずと賞金ランキングも上位に入ってくると思います。それに、すごく簡単な話になってしまいますが、パーオン率上位の人が、賞金ランキングでも、上位にたくさん入っているんです。それに気づけたのも良かったですし、実際にパーオン率のランキングも上がってきているし、賞金ランキングも上がってきています。やっていることは間違っていないと、自分でも再確認できました。

 頭のなかのことについては、いままでは、ある意味、考えすぎていたというか、できることもできなくしてしまっている悪い癖みたいなものがあって、それを断ち切れない自分、消すことができない自分がいたんです」
 「考えすぎる」ということの意味がわかりやすいのが、メジャーだ。彼女は、これまで大舞台で好成績をたくさん挙げてきている。2015年の日本女子オープンゴルフ選手権競技では、あと一歩で優勝には届かなかったが4位タイとなっているし、2017年も強かった。ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ8位タイ、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯4位タイ、日本女子オープンゴルフ選手権競技5位タイ。「基本的に難しいセッティングが好き」ということもあるが、それだけが理由ではないという。
 「いろいろ考えちゃうタイプなので、難しいセッティングのほうが考える時間がなくて、1つのことに集中できるというか……。すごく広いコースだと、集中力がバラけたりします。視野が広いというのは、いい意味も悪い意味もあるのかもしれませんが、私には悪い意味しかなくて、意外と大雨で天気が悪いほうが、やることが多い分、ゴルフだけに集中できたりします」

リコーに毎年出たいという気持ちが、いっそう強くなりました

 この、なかなか変えられなかった性分を、2017年にようやく、「シンプル」にすることができたという。
「これをやって、あれをやって、というのをたくさんやってきたのですが、それも、もともと必要がなかったり、必要がないと気づいていても、やったりしていました。性格的に、やらないと不安になる感じでしたね。なくすこと、やらないようにすることが難しいというか、試合もずっと続いているためにタイミングを逃している部分もありました。でも、周りでサポートしてくれているキャディさんやコーチ、マネージャーといったチームのみんなが話を聞いてくれて、こういうふうにやったほうがいいんじゃないかとか、そういう話もいろいろできましたし、みんながそういうふうにできるように、環境やタイミングもつくってくれました。それをトライしてみたところ、結果につながったりしましたし、チームとしてすごく動いてきた1年だったので、そういう部分で自信になっています」

 成長と自信は、2017年、一つの成果をもたらした。プロ入りしたときから言っていた、「リコー(LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ)に出る」という目標の成就だ。
「すごく楽しかったですし、毎年この場にいたいなと感じました。地元(開催コースは宮崎カントリークラブで、柏原プロは宮崎出身)ですし、お世話になった方々がたくさん応援に来てくれました。成長した姿を地元で見せられるというのは、私もうれしいですし、応援に来てくださった人たちもうれしいと思うので、毎年出たいな、と。出る前もずっと思っていましたけど、出てから、よりいっそう、そういう気持ちが強くなりました」
 さて、ここまで見てくると、柏原明日架の2017年はいいこと尽くめのように映るが、もちろん、そんなことはない。たとえば、メジャーについての話では、こんなことを語っている。
 「メジャーが初優勝の場だったら、すごくカッコいいなと思います。でも、まずは、どこでもいいので勝ちたいですね」
LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの話題では、こうだ。
 「欲を言えば、勝って出たかったというのは、もちろんあります。名前をコールされるときに、勝った試合名が読み上げられる。そういうふうにスタートしたいなと思いましたね」
 じつは、ここまで書いてきた他のコメントのほとんどにも、「初優勝という目標は達成できませんでしたが」といった前置きや、「でも、勝ちたいです」といった追加の一言があった。彼女の語り口は終始、一貫して冷静なトーンだったが、勝利への飢餓感は、熱いほどに伝わってくる。

 「勝つために必要なのは、いまやっていることを続けることじゃないですかね、たぶん。2017年はうまくいきましたけど、2018年がスタートしたら、もしかしたらうまくいかないかもしれないですし、開幕からずっと予選落ちしてしまう可能性だってあります。ケガをしてしまうかもしれない。でも、その状況を恐れて、変えることがいちばんダメだと思います。できるだけ、いまの自分の、いま持っている自信というものを、開幕戦から最終戦まで変えないことが、いちばんの近道なのかなと。
 来年のこのインタビューでは、やっぱり勝った試合のことを振り返りたいですね。あのとき、こうだったなって」
 果たしてそれは、どの一戦を振り返ることになるだろう? いや、いまの柏原明日架なら1試合と限らず、一気に2試合、3試合……と考えても、決して欲張り過ぎではないはずだ。

柏原明日架
出身地:宮崎県宮崎市
生年月日:1996年1月30日

<2018年 スタッフプレーヤーインタビュー続々更新中!>
「MACK DADDY 4 ウェッジに出合って、急にすべてが変わった」深堀圭一郎
「たくさんのいい経験を積めた、とても順調な10年だった」石川 遼