「たくさんのいい経験を積めた、とても順調な10年だった」石川 遼

CALLAWAY STAFF PLAYER RYO ISHIKAWA
スタッフプレーヤーインタビュー 石川 遼

2018年、石川遼プロは早くも11年目のシーズンを迎える。選択したのは、日本ツアー。もちろん、USPGAツアー、そしてメジャーで勝てるプレーヤーになるという目標は、1ミリたりとも動いていない。

 石川遼がすでに長いツアー生活を経ていることは、誰でも充分にわかっている。ただそれでも、「10年」という言葉を本人の口から聞くと、やはり驚いてしまう。しかもそれは、誰もこれまで経験したことのない、ほかに例を見ないような10年だ。
「2017年は苦しかったですけれど、10年目のシーズンということで、10年のスパンで考えると、順調な最初の10年だったなと思います。日本で5年、アメリカで5年やって、非常にたくさんのいい経験も積めました」
 2013年のフル参戦開始から、足掛け5年。2017年、石川遼はUSPGAツアーを戦い、ウェブドットコムツアー・ファイナルズ4試合も渡り歩いた末に、参戦カードを失った。苦しかったに決まっている。でも、彼のなかの目標は、何があっても決してブレない。
 「次の10年に向けての必要な経験、世界一にこれから自分が進んでいくにあたっての必要な経験。そういうものを踏むことができた10年間だったと思いますし、26歳までのゴルフ人生で、ここまでいい経験を積めているというのは、客観的に見て非常に順調だなと思います。もちろん、2017年単体で見ると、非常に苦しい経験もありましたし、自分でもう一度、原点に戻ってゴルフを見直さなきゃいけないなという時期でもあった。でも、その分、2018年以降は、すごく楽しみだなと思いますね」

「世界一」に向けての次の10年は、ふたたび日本から歩みを始める。それは、捉えようによっては、USPGAツアー復帰への近道かもしれない。日本ツアーで好成績を挙げ、世界ランキングを上げていくことによって、メジャーや世界ゴルフ選手権などへの切符を手にすることができる。
 しかし、彼はそんなつもりで、参戦権のあるウェブドットコムツアーではなく、日本ツアーを選んだのではないと言う。それは、「世界一」に向けての不退転の決意の表れでもあるし、石川遼のなかでのUSPGAツアーという存在が、そんなに軽いものではないという証でもあるだろう。

 「日本で世界ランキングを上げるという考えでいくと、1年とか2年でPGAツアーに戻れる可能性もあるかもしれない。ただ自分的には、戻るときに、どういう状態で戻っていきたいか、ということにフォーカスを当てているんです。戻りたいという気持ちは、もちろんやまやまなんですが、戻ったところで、また同じゴルフをしていたら意味はないなと。結果にとらわれて、自分が結果にこだわりすぎて、またシード権のラインでやるのか……。そうするとまた、ゴルフがどんどん小さくなっていく。だからいま、アメリカに戻れますよと言われても、戻るとは限らないです。また、いまの自分だと、ウェブドットコムツアーであっても、PGAツアーに行くためのウェブドットコムツアーという感じになって、PGAツアーに戻ったら、それがなんだかゴールみたいな設定になってしまう。
やっぱり、自分がアメリカで勝てるという力をつけられたら、もう1回どっしり構えて行きたいなという思いが強いですね」

これまで見て見ぬフリをしていた部分

 勝てる力をつける一歩が、日本ツアーに戻ってきた昨年の秋から始めている、スイングの修正である。
「アメリカから帰ってきて、すぐに着手したんですが、もともと考えていたというわけではありませんでした。本当は、ウェブドットコムツアー・ファイナルズから、そのまま何もスイングを変えないでやろうというつもりだった。でも、ふと自分のスイングを動画などで見直したときに、すごく手に頼って、体の軸がブレたり、頭の位置がブレたりというのが見えてしまったんです。ヘッドスピードは出ているのに、球がバラついたりなど、精度が落ちているのは、ここだろうなと思ったんです」
 このスイング変更は、5戦連続予選カットという、思いがけない結果も招いた。でも、それは仕方がない。ここは、彼にとっては、ようやく初めて踏み込む場所だったのだから。

 「今回に関しては、自分のスイングのなかで見て見ぬフリをしていた部分、悪いクセという部分に着手したので、自分の目に入ってくる景色が違います。どんな人にも、アドレスの景色やトップでの景色、ダウンスイングやインパクトでの景色があると思いますが、その景色が変わりました。いままでの自分のスイングの考え方や、スイングの変更によって、景色が変わってしまうということは、そんなになかったんですよね。たとえば、フェースをこう向けたいとか、ここに腕を通したいということはあったんですが、それは中途半端で、思ったところに通せていても、インパクトの景色がまったく変わっていなかった。結局、インパクトで全部、辻褄が合ってしまっていて、どこかが変わっているように見えても、結局、インパクトは同じ位置になっているという感じだったんです。

 でも今回は、インパクトの結果というか、インパクトでの手のポジションや、頭のポジション、お尻のポジションやヒザのポジションなど、全部のポジションを変えていかなければいけないという感覚でした。そうすると自ずと景色も変わってきますし、ボールと目の距離も変わってきますし、いまの自分にとってのいいスイングになると、ボールに対して近く感じてくるので、これまでの位置に手が通ればダフってしまいます。ダフらないように手を通さないといけないとなると、どんどん景色が変わってくるので、体の感覚も変わってきます。それに慣れるのに本当に何万球とかかりましたし、時間としては5週間ほどかかりました。自分としてはすごく長かったし、苦しかったですね」
 しかし、これまで手をつけてこなかった領域である分、その先には、計り知れないほどのリターンがあるかもしれない。

「秋から引きつづき取り組んでいることは同じなので、それを4月までに間に合わせていければ、と思います。2018年の理想としては、やっぱり2試合に1回とか3試合に1回というペースで優勝争いがしたいですね。それくらい、どんどん優勝争いに絡んでいけるゴルフがしたいですし、優勝争いに絡んだときに、さらに3回に1回という具合で勝てるように頑張りたい。自分が取り組んでいることをしっかりと発揮できれば、数字は自ずとついてくると思います」
 2018年、石川遼の新たな“前人未到の10年”が幕を開ける。

石川遼
出身地:埼玉県
生年月日:1991年9月17日
出身校:杉並学院高等学校

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