「MACK DADDY 4 ウェッジに出合って、急にすべてが変わった」深堀圭一郎

CALLAWAY STAFF PLAYER KIICHIRO FUKABORI
スタッフプレーヤーインタビュー 深堀圭一郎

2017年。深堀圭一郎は、ついにシード権を失った。だが、彼は現在、とてもポジティブだ。昨年の途中まではなかった「戦える感触」が、いま心のなかを大きく占めているからだ。

 昨年のインタビューで、深堀圭一郎はこんなことを語っていた。
「レギュラーツアーでやりたくてもできないという環境のプロがほとんどという年齢のなかで、やっぱり1年でも1試合でも、レギュラーツアーに出つづけられる自分でいたい。しかも、ただ出ているだけというのではなくて、意味のあるレギュラーツアーのプレーヤーとして、1年でも長く残っていたい。(中略)とにかくこの2017年が最後と思って、心してやらなくてはいけない。大きな節目になると思います」
 迎えた2017年シーズン、彼が残した結果は、23試合出場(うち1戦はマッチプレー)、予選通過8回、最高順位19位タイ、賞金ランキング91位。1996年に初めてシードを獲得し、以来、ケガによって離脱した年はあったものの、ずっと自らの力で得た権利でレギュラーツアーに参戦してきた。だが、その記録は、とうとう途絶えることとなった。
「不満の年ですね」
 今回のインタビューで最初に投げかけた、「2017年はどんなシーズンでしたか?」という質問に対し、彼は、最後まで聞くか、聞かないかという、いわゆる“食い気味”のタイミングで答えてきた。もちろん、そうだろう。「心してやらなくてはいけない」とまで言って臨んだ年だったのだから。
 しかし、その言葉とは裏腹に、表情はにこやかだった。以前となんら変わることのない、深堀圭一郎らしい、さわやかな笑顔。
「正直、10月からもう少し、試合数が欲しかったですね」
 残した成績もそうだが、「不満」の矛先は、それとはちょっと違う方向にもあった。それは、「光が見えた」からこそ生まれた不満というか、口惜しさだった。

「ずっと、ショートゲームがなかなかうまくいっていないというのがあったんです。思いどおりにいかなくて不安になるため、グリーンを外したときのストレスも大きかったし、セカンドショットへのストレスも大きかった。それで、なかなかスコアが出ない状態になっていた。よく話をするのですが、僕たちも良くて7割しかグリーンに乗らなくて、3割は外す。そうなると、その3割をどれだけしっかりケアできるか。プラス、パー5であればサードショットも、そこに含まれてくる。とても幅広く大事なエリアなのですが、それがダメでスコアがまとまらなかった」
 しかし、転機が訪れた。10月のことだった。
「MACK DADDY 4 ウェッジに出合って、それからゴルフの組み立てが落ち着くようになった。急にそこから、パッと変わったんです」

自分の感じた部分が本当のところどうなのか、確認作業をしたい

 一見、キャロウェイへのリップサービスのように聞こえるかもしれないが、決してそうではない。取材ではないところでの会話のなかで、彼がMACK DADDY 4 ウェッジの良さを強調しているのを何度も耳にしたからだ。
「それまでアプローチの際は、『止まるかな? どうかな? 』と、ネガティブな考えが頭に浮かんでくることがけっこうありました。それで、セカンドショットでなかなかピンを狙っていくことができず、どうしてもショートサイドに打てなくなるから、長いバーディーパットが残る。そんな繰り返しだったのが、MACK DADDY 4に出合ってから、消えたんです。ゴルフ全体の視野が広がって、18ホールが流れるように、止まることなく、イメージできるようになりました」

 それは、成績にも如実に表れている。MACK DADDY 4 ウェッジを使いはじめて以降のシーズン終盤6戦中、予選通過は4戦。うち1試合は、体調不良で棄権だったから、5戦中4戦と言ってもいい。それ以前の17試合で4試合しか決勝ラウンドに進めなかったのだから、あまりに大きな違いだ。だからこそ、「10月からもう少し、試合数が欲しかった」という思いが募る。
「これでゴルフを組み立てて、練習して、シーズンに入って、1年間をやってみたかったというのは、後半、正直思いました。昨年は、GBB EPICに出会って、飛距離のアドバンテージをまた取り戻せました。シーズンを戦っていて、他のプレーヤーと遜色のないボールが打てて、『ああ、ちょっと僕のフィールドではなくなってきたかな?』といったことは、まったくなかった。そこにさらに、MACK DADDY 4に出合って、心に迷いがない状態だったので」
 2018年、深堀圭一郎はシニアツアーに出場できる50歳の誕生日を迎える。だが現在、シニアツアーの存在は、あまり心のなかで大きくなってはいない。冒頭の言葉にもあった、「ただ出ているだけというのではなくて、意味のあるレギュラーツアーのプレーヤー」である自身を、かなりはっきりとした輪郭でイメージできるからだ。

 「シニアツアーは出たいですよ。でも、レギュラーツアーで、もう少しやれる部分を感じてしまった。それが本当のところ、どうなのかという確認作業をしたいんです。
2018年は推薦のお話しもいただいて、進んでもいます。だから、レギュラーに出ていって、その流れによって、ある程度レギュラーでの先が見えてくるのか、もしくは後半、シニアツアーに参戦したほうがいい、となるのか。ダブルでのスタンバイです。夏にリランキング(フルシード権を持たない選手の出場優先順位を、シーズン前半の成績によって変える制度)がありますから、そこで残りの試合に出られるようにすることを一応狙ってはいますけどね」
 本人は慎重に、「一応」という言葉を使ったが、本心はどうなのだろうか。彼は(あくまでさわやかにだが)ニヤリと笑みを浮かべながら、最後にこう付け加えた。
「ただ、スキさえあれば、いきますよ」
 深堀圭一郎の姿をシニアツアーで楽しむのは、まだまだ先でいい。

深堀圭一郎
出身地:東京都
生年月日:1968年10月09日
出身校:明治大学